わたしの美しい庭 | 凪良ゆう 感想とおすすめポイントを紹介

BOOK

こんにちはモチです。

今回紹介する小説はこちら!

凪良ゆうさんの「わたしの美しい庭」です

表紙がとても美しく洗礼されたデザインであることも話題になりました

概要

発売年月:2019年12月

ISBN:978-4-591-16485-3

ページ数:283ページ

本の種類:単行本

発行所:ポプラ社

定価:1,650円(税込)

参考:https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008272.html

発売年月:2021年12月

ISBN:978-4-591-17206-3

ページ数:311ページ

本の種類:文庫本

発行所:ポプラ社

定価:814円(税込)

参考:https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8101435.html

あらすじ

とあるマンションの屋上にある小さな神社

そのマンションには翻訳家でもあり神職でもある統理と血のつながらない小学生の百音が2人で暮らしている

またその隣人で、ゲイで移動式バー店主である路有がおり、2人と食卓を囲む仲にあった

2人の関係に対し「変わっている」と一目を置く近隣の住民もいるものの

相対的に統理たちは自分達が納得した関係性として受け止め悠々自適と暮らしている

そしてその地域に住む人は、屋上にある神社を「縁切り神社」と呼んでおり、

「悪縁を断ちたい」と願う人々が次々に訪れる

登場人物の中には現状に喘ぎ、生きやすさを求めるものが次々に登場し、

統理や百音と交わって行く中で

人間関係や物事との距離の取り方について見つめ直し、

心の修復を図る -

こういう人におすすめ

孤独や生きづらさを抱えている人

世間が言う「普通」という枠からはみ出た自分を肯定できずに悩んでいる人

・静かで温かい物語を読みたい人

・凪良ゆうさんの作品自体が好き・興味がある人

この小説では「普通」と呼ばれる偏った思想から生まれた枠組みから外れてしまった人を肯定してくれる

そして、枠の外で暮らす人を決して独りにはせず、優しく包み込んでくれる感覚がある

また「孤独」「生きづらい」と感じることに否定せず、

その上で救いの舟を出してくれる

この物語の展開としては、激しさはなく、

心をじんわり温める読書体験を求めている人にピッタリ

また、凪良ゆうさんの作品はどれも言葉選びが優しく繊細で

特に読みやすい作品となっている

凪良ゆうさんの作品を読みたい場合のおすすめの入門書と言える

心に残った一節

わたしは不幸かもしれない

わたしは不幸かもしれない。

わたしはかわいそうかもしれない。

けれどわたしの中には、たった一度の雷鳴が今も響いている。

たった一度の恋が、永遠になってもいいじゃない。

誰かに証す必要なんてなく、わたしはわたしを生きていけばいい。

第三者によって決められた価値に縛られることなく、

そして誰かに理解を求めるのでもなく、

誰にも明け渡したくないものを自分の奥底にそっと残しておくって

おそらく自分を持つって上で非常に大事な工程なんだなと思いました

他人同士なんて死ぬほどめんどくさいことを…

他人同士なんて死ぬほどめんどくさいことを繰り返すことでしかつながっていけない。

わかっているのに何度も失敗する。

他人とのコミュニケーションやキャッチボールを成り立たせようと図っている行為そのものが

めんどくさいものなんだ、と生きるという営みの本質を表現している気がした

私たちも当たり前のように難しく面倒なことを行なってきた

対面の人間を理解するために。

その中で「あ、相手はこうするとこう思ってしまうんだ」と失敗をし、

失敗を重ねるたびにその精度というのは上がっていくのだと思う

みんな幸せになりたい。この人となら…

みんな幸せになりたい。

この人となら幸せになれると信じて結婚する。

この人となら不幸になってもいいと思ってする結婚もある…(以下略)

一部を抜粋したものだが、凪良さんの言葉って美しいなぁと思った

もちろん、幸せになりたくて誰かと結婚をする考えもあるけれど、

この人とならたとえ地獄を選んでも一緒に歩んでいけるという

揺るぎない決意が

回り回ってお互いを存在を強く認識することができる

とっても感動しました

まとめ

この本を開いた時と閉じた後とでは

心の軽やかさが変わった気がしました

マイノリティという言葉が

決して寂しい孤独な言葉なのではなく

「そんな自分を許して大切にしよう」と

より胸を張っていたくなるような感覚を覚えました

もしも、

「普通」という言葉に疑問を抱いてモヤがある人がいれば

この本をとって

そのモヤを晴らしてもらえるといいなと思います

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