小説アーモンドのあらすじと感想|日韓150万部が心に刺さる理由

小説

「感情がわからない少年」の物語が、

なぜ日韓累計150万部も読まれ、

2020年本屋大賞(翻訳小説部門)第1位に選ばれたのか——。

ソン・ウォンピョン『アーモンド』は、

韓国文学ブームの火付け役ともいえる、

静かで熱い傑作です。

この記事では、

年に30冊以上読む書評ブロガーが、

あらすじ(ネタバレなし)・感想・賛否のレビュー・

実話なのかという疑問・読書感想文のヒント・文庫情報まで、

読む前に知りたいことをすべてまとめました。

この記事でわかること

  • 『アーモンド』のあらすじ(ネタバレなし)
  • タイトルの意味と「実話なの?」への答え
  • 心に刺さる理由と、賛否両論の正直な分析
  • 読書感想文を書く人へのヒント
  • 文庫・電子で読む方法

『アーモンド』とは(あらすじ・基本情報)

主人公は16歳の高校生・ユンジェ

生まれつき脳の扁桃体(アーモンド)が人より小さく、

怒りや恐怖といった感情を感じることができません

祖母は彼を「かわいい怪物」と呼び、

母は「喜怒哀楽愛悪欲」を丸暗記させて、

なんとか”普通の子”に見えるよう訓練してきました。

しかし15歳の誕生日、

目の前で祖母と母が通り魔に襲われるという悲劇が起こります。

それでも、彼はただ黙って見つめていることしかできなかった——。

ひとりぼっちになったユンジェの前に現れたのは、

激しい感情を抱えたもう一人の”怪物”、ゴニ

正反対のふたりの出会いが、

物語を大きく動かしていきます。

著者/訳ソン・ウォンピョン/矢島暁子
出版社祥伝社(単行本2019年7月/祥伝社文庫・電子あり)
受賞2020年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位/第10回チャンビ青少年文学賞
実績日韓累計150万部のベストセラー
アーモンド ソン・ウォンピョン
本屋大賞 翻訳小説部門 第1位・日韓150万部
アーモンド
ソン・ウォンピョン / 祥伝社(文庫あり)

感情がわからない少年が、愛によって変わっていく。K文学入門にも最適な一冊。

タイトルの意味/実話なの?

「アーモンド」とは、脳の扁桃体のこと。

感情、特に恐怖や不安を司るこの部位が、

アーモンドの形に似ていることから名づけられています。

ユンジェの扁桃体は生まれつき小さく、

刺激を受けても心に「信号」が灯らない——

タイトルは物語の核心そのものです。

「実話ですか?」という質問をよく見かけますが、

本作はフィクションです。

ただし着想には実感がこもっています。

著者のソン・ウォンピョンさんは出産を機に、

「わが子が期待とまったく違う姿に成長したとしても、変わらず愛情を注げるか」

という問いを抱き、

この物語を書いたと明かしています。

だからこそ、

作り話なのにどこまでも切実なのです。

150万部読まれる3つの理由(感想)

「感情がない」視点だから、感情が際立つ

物語はユンジェの一人称で、

あくまで淡々と語られます。

悲劇すら他人事のように綴られる文章——

なのに、読んでいるこちらの胸は締めつけられます。

語り手に感情がないからこそ、

読者の中で感情があふれるという、

逆説の仕掛けが見事です。

「共感とは何か」を問いかけてくる

感情がわからないユンジェと、感情が激しすぎるゴニ。

ふたりの”怪物”の交流を通して、

「人を理解するとはどういうことか」「共感できない人は本当に冷たいのか」

という問いが静かに突きつけられます。

SNSで「共感」が通貨のように扱われる今だからこそ、

深く刺さるテーマです。

映画のように読める文体

著者は映画監督・脚本家でもあり、

場面が目に浮かぶ簡潔な文体が持ち味。

韓国文学が初めての人でも、

翻訳の読みやすさもあって一気に読めます。

K文学入門の一冊としても、

本作が定番になっている理由です。

賛否のレビュー分析

高評価の傾向(多数派)

  • 「一気読みした。ただひたすら感動的」という声が多数
  • 淡々とした文体が、かえって臨場感と余韻を生むという評価
  • 「人を救うのは結局、愛」というテーマへの共感
  • 読みやすく、韓国文学デビューに最適という声

合わなかった人の傾向

  • 「淡々としすぎて、思ったほど深く感じなかった」
  • 「不幸な出来事が続く展開がつらい」という声も

この賛否は文体の好みの差です。

感情を煽る日本のエンタメ小説に慣れていると、

本作の抑制された筆致は物足りなく感じるかもしれません。

逆に、静かな文章の行間から感情を受け取るタイプの読書が好きな人には、

生涯の一冊になり得ます。

読書感想文のヒント

本作は読書感想文の題材としても人気です。

書きやすい切り口を3つ紹介します

(丸写しではなく、自分の経験に引きつけて書くのがコツです)。

「共感」について——自分は人の気持ちがわかっているつもりで、本当にわかっているのか。ユンジェを通して考えたこと
「普通」について——母がユンジェを”普通”に見せようとした訓練をどう思うか。普通とは誰が決めるのか
「愛は人を変えるか」——ユンジェとゴニ、それぞれの変化から感じたこと

著者ソン・ウォンピョンについて

ソン・ウォンピョン。

1979年、ソウル生まれ。

西江大学校で社会学と哲学を学び、

韓国映画アカデミーで映画演出を専攻した、

映画監督・脚本家でもある作家です。

初の長編小説となった本作『アーモンド』で第10回チャンビ青少年文学賞を受賞。

続く『三十の反撃』では済州4・3平和文学賞を受賞し、

日本の本屋大賞・翻訳小説部門で史上初となる2度の第1位

(『アーモンド』『三十の反撃』)に輝きました。

日本で最も愛される韓国人作家のひとりです。

まとめ・文庫情報

『アーモンド』はこんな小説

・感情がわからない少年ユンジェの成長と再生の物語
・2020年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位
・日韓累計150万部のベストセラー
・「共感とは、愛とは何か」を静かに問いかける
・文庫・電子あり。K文学入門にも最適

現在は祥伝社文庫版が出ており、

手に取りやすくなっています。

感情を煽らない静かな物語が、

読み終えたあと、

誰かに優しくしたくなる気持ちを残してくれる——

150万人が読んだ理由を、

ぜひあなたの心で確かめてください。

— 本屋大賞 翻訳小説部門 第1位 —
感情のない少年が、
あなたの感情を揺らす
アーモンド
『アーモンド』(文庫版)
ソン・ウォンピョン / 祥伝社文庫
  • 日韓累計150万部のベストセラー
  • 本屋大賞 翻訳小説部門 第1位
  • 読みやすい文体でK文学デビューに最適

静かな夜に、一気読み推奨。読後、世界が少し優しく見えます。

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