「本屋で何度も見かけるけど、自分に合うかわからない」
「泣けると聞いたけど、本当に泣ける?」
「凪良ゆうの他の作品と何が違うの?」
この記事は、そんな疑問を持っている人向けに書いています
あらすじ・読んで感動した理由・向いている人まで、実際に読んだ視点から正直にまとめています
基本情報・受賞歴

タイトル:汝、星のごとく
著者:凪良ゆう
出版社:講談社
単行本発売:2022年8月31日
文庫本発売:2025年7月15日
ページ数:456ページ(単行本)
定価:文庫版 990円(税込)




本屋大賞は、全国の書店員が「自分が一番売りたい本」を投票して決まる賞です
プロが選んだ作品であることに加え、
凪良ゆう先生は『流浪の月』という2020年の作品でも受賞しており、
凪良ゆう先生が二度にわたって選ばれていることは
それ自体が作品の信頼性を示していると言えます
どんな物語?(あらすじ※ネタバレなし)
な恋愛に振り回されて転校してきた同い年の櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違いながら成長していく。
島ならではの閉鎖感と噂の早さが二人の選択を狭める中、暁海は家族の介護という現実に縛られ、夢を持ちながらも自分を後回しにし続ける。一方の櫂は、やりたいことを追って島を出る。
物語は二人の高校時代から始まり、それぞれの大人への歩みとともに、長い年月をかけた愛の変容を追っていく。「愛しているから、あなたのそばにいてはいけない」——そんな苦しい選択を重ねる二人の物語。
一言で言うと、
「愛することと、生きることの自由」をテーマにした恋愛小説です
単純なラブストーリーではなく、
親子関係・自己犠牲・自由意志といった普遍的なテーマが交差した、
読み応えのある作品です
この物語が描く3つのテーマ



この3つのテーマが絡み合っているのが、この小説の核心だと考えます
恋愛小説として入っても、
途中から「自分はどんな生き方を選んでいるのか?」という問いが読者に向かってきます
そこが、ただ「泣けた」で終わらない深みになっています
特に刺さる人はこういう人
・親の期待や家族の状況によって「やりたいこと」を後回しにした経験がある人
・誰かのために自分を削ってきた経験がある人
読みやすさ・難易度
| ページ数 | 456ページ(単行本) 文庫版も分量はほとんど同じ |
| 読了の目安 | 集中すれば3〜4日 のんびり読んで1〜2週間 |
| 文体 | 凪良ゆう先生らしい、情景が鮮やかに浮かぶとにかく美しい日本語 難解な語彙は見受けられなかった |
| 難易度 | ストーリー展開はシンプル 感情描写が丁寧なので読み応えはあるが重くはない |
| 読み始めのハードル | 低い 冒頭から二人の関係が丁寧に描かれ、引き込まれやすい |
456ページと聞くと長く感じるかもしれませんが、
「先が気になって読み続けてしまう」という声が多い作品です
凪良ゆうの文章は情景描写が豊かでありながら、
テンポの緩急をうまくコントロールしているため、
物語の長さを感じさせないのが魅力の1つです
実際に読んだ率直な感想・なぜ泣けるのか
「泣ける」のはなぜか
「泣けた」という感想をよくレビューやSNSでもみかけますが、
この物語で泣けるのは、恋愛の悲しさからではありません
「本当に誰かを愛しているのに、そばにいることが相手を縛ることになってしまう」
という葛藤がリアルに描かれ、
その葛藤が積み重なり、ある場面でそれが解放されるからだと感じました
長い時間をかけて描かれた二人の関係の変化が、
ある一場面に凝縮されるその瞬間に、
読んできた感情が一気に溢れてきました
読後の余韻について
読み終わっても、
すぐ次の本を手に取る気になれない作品でした
敢えて余韻の時間を作り、しばらく過ごしたくなります
そして読んだ後にいくつかのページを読み返したのですが、
そこまでの感情を読後に与えてくる小説は
そう多くはない印象です
凪良ゆう他作品との比較
| 作品 | テーマ | 重さ【5段階】 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 汝、星のごとく | 愛・自己犠牲・自由 | ★★★★☆ | 深い恋愛小説が読みたい |
| 流浪の月 | 他者との断絶・真実 | ★★★★★ | 社会の偏見を問いたい人 |
| わたしの美しい庭 | 家族・居場所・癒し | ★★☆☆☆ | 温かく読みやすい作品が好き |
凪良ゆう先生の作品を初めて読む方には、
個人的に重さの点から
「わたしの美しい庭」を最初に読んでから本作に進む順序もおすすめです
「汝、星のごとく」は凪良作品の中でも重く切ない部類に入るので、
比較的ある程度の心構えを持って読むと良いと思います
↓併せて読みたい記事↓
向いている人・向いていない人
| ✔︎こんな人に向いている | △向いていないかもしれない人 |
|---|---|
| ・愛と自由について考えたい ・誰かのために自分を後回しにした経験がある ・重くても深い恋愛小説が好き ・凪良ゆうが好き・他作品を読んだことがある ・読後に余韻が残る作品を求めている ・人間の複雑な感情を丁寧に描いている話が好き | ・明確なハッピーエンドで清々しい気持ちで物語を終えたい人 ・スカッとした読後感を求めている ・軽い恋愛ものが好み ・ミステリー・アクション系が好き |
名言集※抜粋
誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、後で後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない。
自ら選んだ時点で、人はなんらかの責を負う。他人から押し付けられる自己責任論とは別物の、それを全うしていく決意。それを枷と捉えるか、自分を奮い立たせる原動力と捉えるか。なんにせよ、人はなにも背負わずに生きていくことはできない。
人は群れで暮らす動物です。だからなにかに属さないと生きていけない。ぼくが言っているのは、自分がなにに属するかを決める自由です。自分を縛る鎖は自分で選ぶ。
誰がなんと言おうと、ぼくたちは自らを生きる権利があるんです。ぼくの言うことがおかしいですか。身勝手ですか。でもそれは誰と比べておかしいんでしょう。その誰かが正しいという証明は誰がしてくれるんでしょう。
やりたいことがあるけれど何かに悩まれている人の背中を強く押してくれます
そんな人にもぜひ読んでもらいたいですね
結論:買う価値はあるか
「重い恋愛小説でもいい」「人間の感情の複雑さを描いた話が好き」という人には、
迷わず買う価値があります
本屋大賞受賞という実績は、
多くの書店員がこの作品を「多くの人に読んでほしい」
と思った証拠です
そしてその評価は実際の内容に裏打ちされています
“凪良ゆうの言葉の精密さ””感情描写の深さ””物語の完成度”
どれも本屋大賞にふさわしいクオリティだと感じています
ただし前述したように、
「ハッピーエンドが前提」「軽い読み口を求めている」方にはおすすめできません
購入前にこの点だけ確認しておくと、後悔せずご判断いただけると思います




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