凪良ゆうの名前をはじめて知った人も、
「流浪の月」を読んで次が気になっている人も、
この記事を読めば「自分が次に読むべき1冊」が必ず見つかります。
路地裏書房では凪良ゆう作品を複数読んでおり、
「読みやすさ」「重さ」「感動の種類」を正直に書きました。
“凪良ゆう”とはどんな作家か
凪良ゆう(なぎら・ゆう)
京都市在住。2007年、BL作品でデビュー。長年にわたりBL界で支持を集め、「美しい彼」シリーズは2021年に連続TVドラマ化された。2019年に一般文芸へ本格参入し、同年刊行の『流浪の月』と『わたしの美しい庭』が話題に。2020年『流浪の月』で本屋大賞を受賞、2022年には実写映画化された。2023年刊行の『汝、星のごとく』でも本屋大賞を受賞し、2年越しの大賞連覇を達成した初の作家となった。
凪良ゆうの作品を一言で表すなら、「世間の”普通”からはみ出した人たちが、それでも生きていく物語」です。言葉選びが美しく、読後に心がじんわりと温かくなる。重さと優しさが共存する、独特の世界観を持つ作家です。




初めて読む人向けの読む順番
- まず初めに『汝、星のごとく』
凪良ゆうの世界観への入口として最もバランスが良いです。感動の質が高く、読後に「次も読みたい」と思わせる力があります。重さはあるが読み進めやすい作品です。
- 2番目『流浪の月』
本屋大賞受賞・映画化の代表作。テーマが重く「世間の目」と「真実」の乖離が描かれています。1作目で凪良作品が好きになった人は迷わず読んでほしい作品です。
- 3番目『わたしの美しい庭』
オムニバス形式で読みやすく、温かみが強い作品です。凪良作品の中でも「癒し」寄りで、前2作品で少し疲れた時の箸休めにもなるでしょう
- 4番目『星を編む』『滅びの前のシャングリラ』ほか
凪良ゆうの世界観を深く知りたくなったら、その後に好きな順で。
全作品 詳細レビュー
『汝、星のごとく』
講談社/2022年8月刊/本屋大賞 2023 受賞






瀬戸内の島で育った暁海と、自由な魂を持つ櫂。互いに家庭に問題を抱えながらも惹かれ合い、しかし島を出ることを望む夢が二人の関係を揺さぶっていく。「愛することと、自分を生きること」を問い続ける、凪良ゆうの代表作。

「やばい、小説ってたのしい」——読みながら思わずそう感じた作品でした。凪良さんの文章は、普段あまり小説を読まない人でも引っかかりなく読めるテンポがあります。登場人物の感情が押しつけがましくなく、でも深く刺さってくる。読み終わった後にしばらく現実に戻れなくなる、そういう種類の本です。
こんな人におすすめ:凪良ゆう初読の人・王道の恋愛小説に飽きた人・映画公開前に原作を読みたい人・「愛と自由」について考えたい人
定価:990円(文庫・税込)
ページ数:456ページ
ISBN:9784065401880
映画:2026年公開予定
『流浪の月』
東京創元社/2019年8月刊/本屋大賞 2020 受賞





幼い頃に「誘拐犯」に連れ去られた更紗と、その「犯人」とされた文。世間の目が「加害者」と「被害者」に貼り付けたラベルと、ふたりの間にしか存在しない真実の乖離を描く。凪良ゆうの名前を世に知らしめた代表作。

凪良さんといえば言葉選びや表現が美しいことでも知られていますが、『流浪の月』はその真骨頂だと感じました。「社会が正しいとすることが、当事者にとっての真実とは限らない」というテーマが、押しつけなく静かに描かれています。読んでいる途中、何度も「これは誰の話でもない、でも誰の話でもある」と感じました。凪良さんの作品の中で一番重い部類ですが、それだけ深く刺さります。
こんな人におすすめ:凪良ゆう2作目として・映画を観た人が原作を読みたいとき・「正しさ」と「真実」の違いについて考えたい人
定価:781円(文庫・税込)
ページ数:356ページ
ISBN:978-4-488-80301-8
映画:2022年5月公開済
『わたしたちの美しい庭』
ポプラ社 2019年12月刊






マンションの屋上庭園にある小さな「縁切り神社」。そこを訪れる〈生きづらさ〉を抱えた人たちの、連作短編集。血のつながらない父娘、同性に惹かれる男性、傷ついた過去を持つ女性——それぞれが、そっと前へ踏み出していく物語。

表紙がとても美しく洗練されたデザインであることも話題になりました。凪良ゆう作品の中では「重さ」が最も穏やかな1冊です。オムニバス形式なので気が向いたときにどこからでも読め、読んでいる間ずっと屋上の庭園の空気に包まれているような感覚があります。「みんな色々あったけど、いまの自分のままでいいんだ」と感じさせてくれる。凪良さんの作品の中で最も心が疲れていないときに読んでほしい1冊です。
こんな人におすすめ:凪良ゆう入門として「重すぎない1冊」を探している人・オムニバス形式が好きな人・LGBTQテーマに興味がある人・心が少し疲れているとき
定価:814円(文庫・税込)
ページ数:311ページ
ISBN:978-4-591-17206-3
文庫発売:2021年12月公開済
『星を編む』
講談社/2023年11月刊/『汝、星のごとく』続編




本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』の続編。前作の登場人物たちのその後と、新たな視点からの物語が交差する。前作を読んでいることが前提になるため、必ず『汝、星のごとく』を先に読むこと。
こんな人におすすめ:『汝、星のごとく』を読んでもっと続きが読みたい人・暁海と櫂のその後を知りたい人
定価:1,760円(税込)
ページ数:288ページ
ISBN:9784065327869
前作:汝、星のごとく
『滅びの前のシャングリラ』
中央公論新社/2024年1月刊





1ヶ月後に小惑星が地球に衝突し、人類が滅びることが確定した世界。残り30日間を、それぞれの事情を抱えた4人の視点から描く群像劇。「世界の終わりに、あなたは何をするか」を問われる1冊。
こんな人におすすめ:凪良ゆうを3作以上読んだ上で・SF的な設定が好きな人・家族の在り方について考えたい人
定価:902円(税込)
ページ数:400ページ
ISBN:978-4-12-207471-2
『神さまのビオトープ』
講談社/2017年4月刊




死んだ夫がまだそこにいる。妻・凪は亡夫の存在を感じながら日々を暮らし、やがて新しい隣人と出会う。凪良ゆうが一般文芸に初めて踏み込んだ作品で、後の代表作へつながる世界観の原点が詰まっている。
こんな人におすすめ:凪良ゆうの原点を知りたい人・幻想的な雰囲気の小説が好きな人
定価:792円(税込)
ページ数:304ページ
ISBN:9784062940672
重さ・読みやすさ 比較表
| 作品 | 重さ | 読みやすさ | 初めての人向け | ひとことメモ |
|---|---|---|---|---|
| 汝、星のごとく | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ✔︎おすすめ | 感動×読みやすさのバランス最良 |
| 流浪の月 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | △2作目以降に | 代表作だが重め。映画あり |
| わたしの美しい庭 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ✔︎軽めの希望の人に | オムニバス・癒し系 |
| 星を編む | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ×『汝、星のごとく』の後に読む | 続編。前作必読 |
| 滅びの前のシャングリラ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | △3作目以降に | SF設定×家族テーマ |
| 神さまのビオトープ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | △原点として | 幻想的・世界観の原点 |
迷ったら、まず
『汝、星のごとく』がおすすめ
凪良ゆうをまだ読んだことがない人が最初に読む1冊として、
路地裏書房は迷わず『汝、星のごとく』をすすめます。
重さと読みやすさのバランスが最も良く、
読み終えた後に「もう1冊読みたい」と思える作品です。
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