ミステリー好きにとって、12月は特別な月です。
宝島社の「このミステリーがすごい!」が発表され、
その年の傑作が決まるからです。
書評家・作家・書店員の投票で選ばれる、
1988年から続くランキング——
通称「このミス」。
この記事では、
年に30冊以上読む書評ブロガーが歴代1位を6年分、
あらすじ・おすすめしたい人・受賞歴つきで解説します。
🏆 このミス 国内編 歴代1位(直近6年)
2026年版:失われた貌/櫻田智也
2025年版:地雷グリコ/青崎有吾
2024年版:可燃物/米澤穂信
2023年版:爆弾/呉勝浩
2022年版:黒牢城/米澤穂信
2021年版:たかが殺人じゃないか/辻真先
このミスは毎年12月上旬に発表されます(2026年版は2025年12月5日発売)。
つまり——いま歴代1位を読んでおけば、発表直後の話題にすぐ乗れます。「今年の1位、去年のあれより面白い?」という会話に、参加できるかどうかが決まります。
「このミス」とは?2つの顔がある
混同されやすいのですが、
「このミステリーがすごい!」には2つの意味があります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 年末ランキング | 1988年〜。書評家・作家・書店員らの投票で国内編・海外編それぞれベスト20を選出。毎年12月発表 |
| 『このミス』大賞 | 2002年〜の公募新人賞。海堂尊・中山七里ら多くの人気作家を輩出 |
この記事で扱うのは
主に前者の年末ランキングです(後者も後半で紹介します)。
💡 なぜ信頼できるのか
選出しているのは書評家・作家・書店員——つまり年間に膨大な数のミステリーを読むプロたちです。
出版社の宣伝でも、読者投票でもない。読み手のプロが選んだ結果だからこそ、ハズレが少ないのです。
歴代1位6作の詳細
結末には触れず、
あらすじ・おすすめしたい人・受賞歴をお伝えします。
2026年版 1位『失われた貌』櫻田智也 / 新潮社
あらすじ:顔を潰され、歯を抜かれ、
両手首も切断された身元不明の死体。
失踪宣告された父と、
少年の告白が捜査を揺さぶります。
著者初の長編警察ミステリです。
👤 こんな人におすすめ:本格ミステリの最前線を知りたい人/警察小説が好きな人/伏線回収に唸りたい人
🏆 受賞歴・評価:主要ランキング3冠を達成——このミス2026年版 国内編1位/週刊文春ミステリーベスト10 2025 国内部門1位/ミステリが読みたい!2026年版 国内篇1位。著者は『蟬かえる』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞しています。
すべて1位
長編警察もの
発表
警察小説の温度感と本格の論理が融合。個の喪失と再生を描いた、現代ミステリの到達点です。
2025年版 1位『地雷グリコ』青崎有吾 / KADOKAWA
あらすじ:ゲームで勝負する頭脳戦を描いた連作短編集。
学校を舞台に、
独自ルールのゲームが次々と展開されます。
👤 こんな人におすすめ:頭脳戦・心理戦が好きな人/論理的な駆け引きを味わいたい人/連作短編が好きな人
🏆 受賞歴・評価:このミス2025年版 国内編1位。読書感想文の題材としても人気があり、当ブログでも上位表示されている作品です。
2025年版
ゲーム勝負
読める
ルールの隙を突く快感。ページをめくる手が止まらなくなるタイプの作品です。
2024年版 1位『可燃物』米澤穂信 / 文藝春秋
あらすじ:群馬県警の刑事・葛が挑む5つの難事件。
派手なトリックではなく、
地道な捜査と論理で真相へ迫ります。
👤 こんな人におすすめ:堅実な警察ミステリが好きな人/米澤穂信の他作品も読みたい人/短編集が好きな人
🏆 受賞歴・評価:このミス2024年版 国内編1位。第24回本格ミステリ大賞(小説部門)候補。著者は『黒牢城』で直木賞を受賞しています。
2024年版
難事件
直木賞作家
派手さはありません。しかし論理の積み上げが、これほど面白いのかと思わせます。
2023年版 1位『爆弾』呉勝浩 / 講談社
あらすじ:酔って暴れた男が、
警察署の取調室で「これから東京で爆弾が爆発する」と語り始めます。
男の言葉は本当なのか——
緊迫の心理戦が始まります。
👤 こんな人におすすめ:緊張感のある物語が好きな人/心理戦・対話劇を味わいたい人/一気読みしたい人
🏆 受賞歴・評価:このミス2023年版 国内編1位。複数のミステリランキングで上位に入った話題作です。
2023年版
心理戦
展開
取調室という密室で交わされる言葉が、東京を揺るがす。会話だけでこれほど緊張できるのかと驚きます。
2022年版 1位『黒牢城』米澤穂信 / KADOKAWA
あらすじ:戦国時代。
謀反を起こして城に籠もった武将・荒木村重が、
牢に囚われた黒田官兵衛に事件の謎解きを依頼します。
戦国版の安楽椅子探偵という異色作。
👤 こんな人におすすめ:歴史小説とミステリの融合を味わいたい人/受賞作を追っている人/重厚な作品が好きな人
🏆 受賞歴・評価:第166回直木三十五賞受賞/第22回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞/山田風太郎賞受賞。さらに国内4大ミステリランキングで史上初の4冠を達成しました。
受賞作
ランキング4冠
大賞も受賞
歴史とミステリの融合が、これほど成功した例は稀。受賞歴だけを見ても圧倒的です。
2021年版 1位『たかが殺人じゃないか』辻真先 / 東京創元社
あらすじ:昭和24年の名古屋が舞台。
旧制中学最後の年、
映画研究部の合宿で起きた密室殺人に、
高校生たちが挑みます。
👤 こんな人におすすめ:昭和の空気を味わいたい人/青春ミステリが好きな人/ベテラン作家の技を見たい人
🏆 受賞歴・評価:このミス2021年版 国内編1位。刊行時に著者は88歳——ベテラン作家が放った渾身の一作として大きな話題になりました。
2021年版
名古屋が舞台
著者88歳
戦後まもない時代の空気と、瑞々しい青春。そして本格ミステリとしての完成度。
2026年版ベスト10(一覧)
最新版の上位作品です。
1位以外にも、注目作が並んでいます。
| 順位 | 作品/著者 |
|---|---|
| 1位 | 失われた貌/櫻田智也(主要ランキング3冠) |
| 2位 | 夜と霧の誘拐/笠井潔 |
| 3位 | 禁忌の子/山口未桜 |
| 4位 | 百年の時効/伏尾美紀 |
| 7位 | 神の光/北山猛邦(本格ミステリ・ベスト10 国内1位) |
| 10位 | 抹殺ゴスゴッズ/飛鳥部勝則 |
※上記は確認できた範囲の順位です。ベスト20の全リストは書籍でご確認ください。
📌 2026年版の傾向
クラシカルな館ものや論理パズルだけでなく、歴史・社会・哲学・幻想といった多様な要素を取り込んだ作品が目立ちました。
「ミステリーだからこそ描ける物語」——この方向性が、いまの潮流です。
「このミス大賞」の受賞作
もうひとつの「このミス」——
公募新人賞の受賞作も紹介します。
| 回 | 受賞作/著者 |
|---|---|
| 第24回(2026年) | 最後の皇帝と謎解きを/犬丸幸平 |
| 第23回(2025年) | 謎の香りはパン屋から/土屋うさぎ |
| 第22回(2024年) | ファラオの密室/白川尚史 |
この賞は海堂尊さん、中山七里さんなど、
多くの人気作家を輩出してきました。
新しい才能に出会いたい方は、
こちらもチェックしてみてください。
タイプ別・最初の1冊
6作から選ぶなら、
好みに合わせてどうぞ。
| 最新の1位を読みたい | 失われた貌(3冠達成) |
| 受賞歴で選びたい | 黒牢城(直木賞+史上初4冠) |
| 頭脳戦・心理戦が好き | 地雷グリコ/爆弾 |
| 短編で試したい | 可燃物/地雷グリコ |
| 歴史小説も好き | 黒牢城/たかが殺人じゃないか |
| 一気読みしたい | 爆弾 |



6冊を安く読む方法
歴代1位6作を揃えると、約7,000円になります。
📚 6冊を揃えると:約7,000円
🎧 Audible(月1,500円)=対象作品が聴き放題
📱 Kindle Unlimited(月980円)=対象作品が読み放題
🎧 このミス上位作は、聴き放題の対象になっていることが多い
これはあまり知られていませんが、ランキング上位のミステリーは、オーディオブック化されやすい傾向があります。話題作ほど音声化の優先度が上がるためです。
そしてミステリーは「耳で聴く」との相性が良いジャンルです。手がかりは会話の中に提示されることが多く、声で聴くと証言のニュアンスが際立ちます。「この人、いま何か隠したな」——そんな感覚が、活字より鋭くなることがあります。


よくある質問
Q. 次回の発表はいつですか?
A. 例年12月上旬です。2026年版は2025年12月5日に発売されました。同じサイクルなら、2027年版は2026年12月上旬の見込みです。
Q. 誰が選んでいるのですか?
A. 書評家・作家・書店員らの投票で決まります。年間に膨大な数のミステリーを読むプロたちの選出なので、信頼性が高いランキングです。
Q. 「このミス大賞」との違いは?
A. 年末ランキングは「その年の傑作を選ぶ」もの、大賞は「新人を発掘する公募賞」です。まったく別のものなのでご注意ください。
Q. 1位から順に読むべきですか?
A. その必要はありません。各作品は独立しているので、好みに合いそうなものから読んでください。
Q. ミステリー初心者でも読めますか?
A. 読めます。ただし本格志向の作品が多いため、まずは『地雷グリコ』『爆弾』のような読みやすい作品から入るのがおすすめです。
まとめ
📌 迷ったらこの3作
🥇 最新の1位 → 失われた貌(主要ランキング3冠)
🏆 受賞歴で選ぶ → 黒牢城(直木賞+史上初4冠)
📖 読みやすさで選ぶ → 地雷グリコ
📅 次回2027年版は12月上旬発表の見込み
ランキングは、「何を読むか」で迷わないための道具です。
とくにミステリーは作品数が多く、
外れを引くと時間の損失が大きいジャンル。
プロが選んだ1位なら、
失敗する確率は限りなく低い。
まずは1作、手に取ってみてください。
そして12月——
今年の1位が発表されたら、また会いましょう。
プロが選んだ本に、外れはありません。
(このミス2026年版 国内編1位)
- 主要ランキング3冠を達成した話題作
- 著者は日本推理作家協会賞・本格ミステリ大賞受賞
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12月の発表まで、読み進める時間はあります。






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