カスハラ小説『グッドサービス!』感想|接客業に刺さる3つの理由

小説

理不尽なクレーム、終わらない謝罪、心をすり減らす毎日——。

接客の現場で働くすべての人へ向けた一冊。

嶋戸悠祐『グッドサービス! 特別お客様相談室・十南幸助』は、

家電量販店の「カスハラ対策室」を舞台に、

「サービスとは何か」を問い直すお仕事小説です。

しかもこの作品、

著者自身が元・家電量販店で勤務をしていました

クレーム対応のリアルさ、

対応後の事務処理の細かさまで、

現場を知る人間にしか書けない描写が詰まっています。

この記事では、

年間30冊以上を読む書評ブロガーが、

あらすじ・登場人物・各サイトのレビュー傾向・おすすめな人と合わない人まで、

ご紹介します。

この記事でわかること

  • あらすじと舞台「カスハラ対策室」
  • 登場人物(十南&寒川の名コンビ)
  • 各サイトのレビュー傾向(良い点・気になる点)
  • おすすめしたい人/合わない人
  • 接客社会人が共感できるポイント

あらすじ・基本情報

舞台は、家電量販店「R電器」の北海道支店

実直すぎるほど真面目な係長・十南幸助(とおなみ・こうすけ)は、

店長から押しつけられた一本のクレーム電話の対応に追われていた。

そして、

あろうことか暴力事件を起こしてしまい、解雇を覚悟する

ところが彼に命じられたのは、

解雇ではなく新部署「特別お客様相談室」への異動だった。

その実態は——「カスハラ対策室」

かばった部下・寒川夏海とともに、

十南は自身が勤めるR電器各支店で起こる問題に立ち向かっていく。

それは単なるトラブル解決ではなく、

「サービスとは何か」「お客様とは何か」を問い直す道のりでもあった——。

謎解きの要素を持ちながら、

根っこにあるのは温かい人情話

「心に電気をつけるお仕事小説」というキャッチコピーがぴったりの一冊です。

著者嶋戸 悠祐
出版社講談社
定価・造本1,925円(税込)/四六判・272ページ
ISBN9784065425756(電子書籍あり)
ジャンルお仕事小説/カスハラ/人情・謎解き
グッドサービス 特別お客様相談室 十南幸助
元家電量販店勤務の著者が描く・お仕事小説
グッドサービス!
嶋戸悠祐 / 講談社

舞台は「カスハラ対策室」。接客で消耗したあなたの心に、そっと電気をつける一冊。

登場人物と舞台

十南幸助……主人公。実直すぎる係長。わが身を犠牲にしてまで働いてしまう中堅社員
寒川夏海……十南の部下。パフェをこよなく愛する、マイペースで天然な新人
榊原顕一……北海道統括部部長。後方支援として推理を展開
童門正……元北海道警察捜査一課・渉外課長。チームを支える

「身を粉にして働く中堅」と

「マイペースな新人」という凸凹コンビの掛け合いが本作の魅力。

なお本作は、

著者の前作『裏家電』と同じ「R電器」が舞台です

(前作は謎解きメインのミステリー)。

本作単体でも問題なく楽しめますが、

両方読むと世界がより深まります。

接客で働く人が共感する3つの理由

この作品が、サービス業・接客業の人に刺さる理由は明確です。

クレーム対応の「リアルさ」が段違い

著者自身が元・家電量販店勤務

だからこそ、実在しそうなトラブルの数々、

客に真摯に向き合う心の機微、

そして対応後の地味で膨大な事務処理まで、

現場のリアルが克明に描かれます。

「ここまで書いていいの?」というほど具体的、

と評されるほどです。

接客経験者なら、

思わず「わかる……」と唸るはずです。

「自分を犠牲にして働く人」への眼差し

主人公・十南は、

わが身を削ってでも仕事に尽くしてしまうタイプ。

「お客様のため」と頑張りすぎて、自分が壊れそうになった経験のある人なら、

彼の姿に自分を重ねずにはいられません。

本作は、

そんな働き手にそっと寄り添ってくれます。

「カスハラ」という”今”のテーマ

カスタマーハラスメントは、いまや社会問題。

我慢が美徳とされてきた接客の現場で、

「理不尽な要求にどう線を引くか」は、

働く誰もが直面する切実なテーマです。

本作はそれを、

暗く深刻にではなく、

明るくさわやかに、しかし本質を突いて描いています。

読後、少しだけ心が軽くなる——

そんな読書体験ができますよ。

「サービスとは何か」を問い直すお仕事小説
グッドサービス
お仕事小説カスハラ人情
グッドサービス! 特別お客様相談室・十南幸助
著: 嶋戸悠祐 / 講談社(272P)
実体験元家電量販
店勤務の著者
共感接客社会人
に刺さる
読後感明るく
さわやか

理不尽なクレームの謎を解き明かす、心に電気をつけるお仕事小説。

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レビュー傾向(良い点・気になる点)

各書評サイトやレビューの傾向を、

良い点・気になる点の両面から整理しました

(個別の口コミは要約しています)

高く評価されている点

  • クレーム対応や現場描写がとにかくリアルで、接客経験者は共感しきり
  • 十南&寒川の掛け合い・会話のテンポが軽快で読みやすい
  • カスハラという重いテーマを明るくさわやかに描いた読後感
  • ミステリー作家らしい謎解きの面白さも両立

気になるという声

  • 著者の従来作(ミステリー・ホラー)の緊張感を期待すると、作風が柔らかい
  • 人情話が主軸のため、ハードな謎解きを求める人にはマイルドに感じることも

これらは、

著者が本作で初めてコメディ・人情路線に挑戦したことに由来します。

つまり「気になる点」は欠点ではなく、

本作の持ち味(明るく共感できるお仕事小説)の裏返しと言えます。

期待値を「ほっとできるお仕事小説」に合わせれば、

満足度はぐっと上がるでしょう。

おすすめしたい人/合わない人

こんな人におすすめ

  • 接客・サービス業で働く社会人(共感度MAX)
  • カスハラやクレーム対応に悩み、心をすり減らしている人
  • 『その仕事、辞めなくてもいいかも』と背中を押されたい人
  • お仕事小説・人情ものが好きな人
  • 重すぎず、でも中身のある一冊を読みたい人

合わないかもしれない人

  • ハードな本格ミステリー・どんでん返しだけを求める人
  • ホラーや緊迫感のあるサスペンスを期待する人
  • 仕事を題材にした物語そのものに興味がない人

とはいえ、

接客の現場を経験したことがある人なら、

ほぼ間違いなく刺さる一冊です。

「自分の仕事が報われない気がする」夜に、

ぜひ開いてみてください。

著者・嶋戸悠祐について

嶋戸悠祐(しまと・ゆうすけ)。

1977年、北海道旭川市生まれ。

北海学園大学卒業、現在も北海道在住。

2010年「キョウダイ」にて、

第3回「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」優秀作を受賞しデビュー。

著書に『セカンドタウン』『裏家電』『漂流都市』など。

もともとミステリーとホラーを得意とする作家で、

本作はコメディ・人情路線への初挑戦作

「物語の仕掛けで驚かす」作風から、

「共感し応援してもらえるキャラクターを書く」方向へと舵を切った新境地です。

そして何より、

著者自身が元・家電量販店勤務

その実体験が、

本作のリアリティの源泉になっています。

まとめ

『グッドサービス!』はこんな小説

  • 家電量販店「カスハラ対策室」が舞台のお仕事小説
  • 元家電量販店勤務の著者が描く、圧倒的リアル
  • 十南&寒川の凸凹コンビの掛け合いが軽快
  • カスハラという”今”のテーマを明るく描く
  • 接客で消耗した心に、そっと電気をつける読後感

お客様のために頑張りすぎて、

自分が報われない気がする夜。

そんなときこそ読んでほしい一冊です。

サービスの最前線で働くあなたの背中を、

十南たちがきっと、そっと押してくれますよ。

— 接客で消耗したあなたへ —
その仕事は、
ちゃんと尊い
グッドサービス
『グッドサービス! 特別お客様相談室・十南幸助』
嶋戸悠祐 / 講談社(1,925円)
  • 元家電量販店勤務の著者が描くリアルなお仕事小説
  • 接客社会人が共感しきりの「カスハラ対策室」
  • 重いテーマを明るく描く、心が軽くなる読後感

仕事帰りの夜に。同じ現場を知る人ほど、深く沁みる一冊です。

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